国際協力への第一歩 ~青年海外協力隊員からのアフリカレポート23~



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私の職場の同僚たちと楽しく交流している妹の姿を見て、嬉しかったです。職場で妹はモテモテでした。
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地方へ連れていったときに、生きてる鶏を先輩隊員がさばいてくれました。日本ではできない経験をさせました。
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妹が滞在している期間に展示会があったので連れて行きました。私が環境教育について話している様子です。活動を見せる良い機会でした。

Bon dia!(おはようございます!)青年海外協力隊員の関朱美です。
8月に一時帰国をしてモザンビークに戻る際に、大学生で夏休み中の妹をモザンビークに一緒に連れてきました。今回は2週間程でしたが、協力隊員の私と共に、妹をモザンビークで過ごさせたことについてお伝えしたいと思います。

モザンビークに連れてきた目的
妹がなぜアフリカに来たのかというと私が住んでいるモザンビークを知り、卒論のために私の活動現場を見るというのが目的でした。国際関係の勉強をしているので身近によい例があるということで卒論を私の活動について書くことにしたそうです。そのため私の活動現場にも連れていきました。

私も自身の活動があったため少ない時間ではありましたが、博物館やショッピングセンターなどを観光したり、私の任地が首都であるためモザンビークという国を知るのために地方に連れていったりしました。そんなこんなで2週間が過ぎ、アッという間に日本に帰国しました。そしてこのレポートを書くにあたり、現在は日本に戻った妹からモザンビークでの現地での生活を体験して感じたこと、思ったことを文章にして送ってもらいました。

妹からのモザンビーク、協力隊の活動の感想
「モザンビークに着いた瞬間、首都のマプトを見て、思ったより途上国という印象を受けませんでしたが、日々過ごしているうちに、仕事を持っている人と持っていない人がいるなど、経済格差が見えてきました。しかし、そんな中でも日本人にはないモザンビーク人のフレンドリーな対応は新鮮で、ポルトガル語はわからなくても心地よかったです。

また町中にゴミが溢れていて、道端の水は濁っていて臭いし、ゴミや衛生面では深刻そうだと感じました。協力隊員、そして姉の仕事を見て仕事は大変そうという印象を受けました。ただ、言葉が完璧じゃなくてもここまで仕事ができると思ったのと、私はまだ学生だから仕事ということは分からないけど、姉の仕事を見て、自分で仕事を探して1から自分で考えて活動しているのは本当にすごいなと感じました。

協力隊員は自分一人で考えて行動するイメージがありましたが、繋がりを広げ、配属先以外の他の団体と協力をして環境教育を普及している現場を見て、協力隊員は現地の人々と協力していくことが大切なのだということを、活動を見て知ることができました。もし、自分が協力隊員として来ていたら何ができるのだろうかと途中から考えてしまいました。

今の自分は弱いところばかりで、今ここに来たところで、人の心を動かせないだろうと感じました。モザンビークに行って、いろんな人の話を聞いて、モザンビークの現状を見て、自分の弱さや今後の課題、目標を見つけることができた、素晴らしい経験になりました。そして将来、国際協力の仕事につけたらかっこいいなと思いました。」

人から受ける刺激
妹がこの文章を送ってきてくれたとき、とても嬉しい気持ちになりました。正直、大して観光地というところは連れていけなかったので、活動を休ませてもらって、もっといろんなところへ連れて行ったほうがよかったのかなと後悔しつつ妹を日本へ見送りましたが、2週間ほどの滞在で協力隊員の生活を経験し、活動を見せたことで多くのことを感じてくれたことを知って、モザンビークへ連れてきてよかったと思いました。妹にとって一番良かったことは、私の活動を見せ、同僚たちと交流したこと、そして他の隊員と交流したことかと思います。他の隊員から協力隊へ来た理由や活動のお話を聞き、また私が日本で働いていたより、楽しく明るく働いている姿や隊員同士楽しく暮らしているのを見て、妹にとって世界で働くことに対してよい刺激になったのではないかと思います。

協力隊の任務
妹が今回モザンビークに来ましたが、そもそも妹がモザンビークを知ったのは私がモザンビークに住んでいるからで、私がモザンビークに住んでいなければ決して訪れることはなかったと思います。このように私が協力隊員としてモザンビークに来ていることで、少なくとも私の周りの人々にモザンビークという国を知ってもらえています。そして実際にモザンビークに来てくれました。協力隊員は自分の任国と日本を繋げることも一つの任務です。日本で東日本大震災が起きた時に世界の各国から多くの方々から寄付や、応援の言葉をいただきました。その中には協力隊との出会いがきっかけで、その時の恩返しをしたいと日本へ寄付をしてくれた人も多かったと聞きます。協力隊員のように前線で現地の人と関わることで、お互いの国を知り、お互いを思いやることで、お互いに何かあったときにこのように助け合える関係を作っていきたいです。この関係を繋げていくことで世界が平和になるのではないかなと思います。

Até próxima! (またね!)
関朱美