国際協力への第一歩 ~青年海外協力隊員からのアフリカレポート27~



飲み終わった水のペットボトルに、水道からの水を常に貯めて断水した時はこれを少しずつ使います。
もともとが水を出る前提で多くの水を使わないと流れないトイレなので、断水中はトイレが1番悩みどころでした。
青い蓋つき容器は水を貯めるのにとても便利で各家庭にあります。1.5リットルのペットボトルと比べて分かるようにかなりの量が入ります

ボンディーア!(おはようございます!)青年海外協力隊員の関朱美です。最近、南半球のモザンビークは本格的に夏になってきました。日本は、だんだんと冬に向かって寒くなっている時期でしょうか。

また私の生活に悲劇が起こりました。以前は電気でしたが、今回は水です!断水生活を1カ月以上続けることになりました。ということで今日は、断水の日々についてお伝えしていきます。

10月24日(月)の悲劇
モザンビークは雨期や季節の変わり目になると大雨が降ったりするのですが、この10月24日の夜は、この1年モザンビークに住んでいて今までにないくらいに豪雨でかつ風がすごい日でした。そのため各地域でも看板や木が倒れたり、家も壊れたりと様々な被害があり、夜は停電もしてしましまいた。私の家も普段は雨漏りをしないのですが、この日は部屋の壁面から雨漏りがしていて、停電していて暗い中、雨漏りしているところにバケツを置いたり雑巾で拭いたりして大変な夜になりました。

断水の日々
その豪雨のせいか私たちのコンドミニアムの半数の家庭が使っている水のタンクのモーターが壊れてしまい、豪雨の次の日から私たちの家の水が出なくなりました。最初は、たまにある2~3日くらいの断水だろうと思っていたのですが、近隣の住民からモーターが壊れた話を受け、またモーターも値段が高いため、取り換えるにもすぐには取り換えられない様子らしく、長期的な断水生活がスタートしました。初めの1週間はもともと溜めておいた水を使っていましたが、蓄えた水にも限りがあるのでその後はコンドミニアム内で水が出る家に水をもらいに行き、5リットルのペットボトルを両腕に持ち、リュックにもペットボトルを詰め込み片道500m程の道を自分たちで運んで、その水を大切に使っています。

助けてくれるモザンビーク人
このように週に1、2回程、水をもらいにコンドミニアム内のモザンビーク人の家を訪れているのですが、この前、お礼にとジュースを買って持っていったら「そんなお礼なんていらないわ。みんな困って水が出ないのだから、あげるのは当たり前よ!」と言ってなかなか受け取ってくれず2本持っていった1本をようやく受け取ってくれました。ここのコンドミニアムに住んでいる方々は裕福な方が多いのもあると思いますが、ちょっとしたジュースすら受けとらないで、このように見返りなど求めず日本人の私たちを助けてくれるモザンビーク人の方々に感動と感謝の気持ちを感じる日々です。

水の大切さ。考えさせられること。
断水生活が続いている間。蛇口をひねっても、トイレを流しても一切の水が出てこない状態。自分が運んできた水だけが家にある水であり、使える水が限られています。かって、東日本大震災の際に断水を経験しましたが、日本で蛇口から水が出ないことは、滅多にないかと思います。私もここモザンビークに来なければこのような断水生活や電気なし生活を経験しなかったでしょう。

もともと2~3日くらいの断水はありましたが、長期的に水が出ないのは初めてで、今回の断水で日本での生活がいかに、水や、電気を心配しないで済む豊かなインフラの中で暮らしているかを感じてしまいました。今の生活では、1日だいたい何リットルの水で生活できるか、何リットル以内で生活しようと考えて節水生活をしていますが、日本に住んでいると自分が1日に何リットル水を使っているかなんて気にしないと思います。

蛇口をひねれば水が出る。そんな当たり前のことがモザンビークは当たり前ではない。私が環境教育でモザンビークに来ているけど、深刻な環境問題を引き起こし、促しているのはモザンビークよりも使いたいだけ使える、私たちの国、日本のほうが環境負荷は高いこと。日々、考えさせられることばかりです。読んでくださっている皆様も世界の裏側を考えて、毎日の生活でほんの少しだけ意識をして、節電・節水をしてみてくださるとうれしいです。

断水生活終了
約1カ月半ぶりに、水道から水が出てようやく断水生活を終えることができました。1カ月、現地の人々よりも大変な生活を送り衛生的にも問題が出てきたため、JICA事務所や配属先の局長に話してから、しばらくしてのことでした。恐らく、局長が私たちの住んでいるコンドミニアムの長に何か言ってくれて、タンクのモーターをようやく取り換えてくれたのではないかと思います。水がなくストレスの多い生活を送っていましたが、今は水が出て幸せです!

Ate logo! またね!

関朱美