ベトナム、ハノイの社会的封鎖措置は成功している。いまだコロナ感染者の爆発的な増加は起こっていない

ハノイの社会的隔離の状況を報告いたします。日本とは違います

4月31日に,ベトナム政府は,首相指示第16号を発出しました。学校はすでに3月から休校で、この休校はまだ続くようです。ハノイは公共交通は市バスなのですが、これも3月29日から全面的に止まり、動いていません。バイクがあふれるほど走っていた道もガラガラになりました。私たちが使う、グラブタクシーなども、人は載せず、宅配のサービスだけで働いています。そのため、外国人など、自分の車やバイクを持っていないものは、歩いて動ける範囲で、食料を調達して生活しています。

公園は封鎖され、監視カメラが設置されました

地下鉄や鉄道、バスが動いている日本とは、その隔離政策の効き目の差は大きいです。

指示があってからは、街に出歩く人は、マスクをして、公園はチェーンで封鎖され、破る人を監視するために、監視カメラが設置されました。

 

街は一夜にしてシャッター街になりました

商店は、食料品以外の店はすべてシャッターがおり、屋台のお茶屋も閉めました。一夜にして、夜にビアホイで騒いでいた人たちがいなくなりました。

ホテルも閉鎖、チェーンで占められています。その徹底ぶりは、日本の状態とは比べ物になりません。ベトナムはまだ死者はでていません。感染者も数百人で、抑えられていて、さすがに、社会主義というのはすごいという感想です。

生活している外国人には、アパート家主が公安に報告し、まだ来ていませんが、公安が確認に来るようです。隠れ感染者がいても、それぞれのアパートのガードマンや、周りの人が見ていて、報告します。薬局に風邪薬とか解熱剤を買いに行くと報告されるという話しです。

市場に行って、高齢のかたが売っている店に買いに行くと、こちらが外国人とみると慌てて、マスクをして、逃げ回ります。よほど、外国人は感染リスクが高いとTVで放送しているのではないかと思います。まもなく1か月になりますが、市内のバクマイ病院でおこった、院内感染も封じ込めに成功しているようです。

マスクや消毒用アルコールなどは自由に買えます

マスクや消毒用品などは、スーパーや薬局でいくらでも買えます。使い捨ても、布マスクも買えますが、布マスクも日本のアベノマスクよりしっかりしたマスクで、カラーや模様も自由に選べ、それでも40円前後で買えます。

何で、日本のアベノマスクが400円もするのか信じられません。

指示の中でも、不当に買い占めたり、値上げした場合、取り締まると言っているのと、もし、不当な問題が起こると、その管理責任者の処分など責任を問うと言っています。日本もこの辺の強制力があれば、マスクがなくなったり、トイレットペーパーが消えたりということはなかったのではないかと思います。ベトナム人の足は、バイクなので、ガソリンスタンドは、封鎖前日は混雑がすごかったです。

さすがに、前日のガソリンスタンドは混雑していました

また、学校が閉まっていたり、会社に集まらないための、遠隔授業やテレビ会議なども、すぐに取り入れました。ネット環境は、光ケーブルが張り巡らされているので、とりあえず、活用を始めました。といっても、その収容数が多いため、遅いのですが、「ズーム」や「スカイプ」、「チーム」などを活用しています。

ベトナムでは、IT社会になった今も、日本の昭和のような大家族主義が生きていますので、保育園や幼稚園が閉まっても、お祖母ちゃんやお祖父ちゃんがいるので、日本のように、働くお母さんがすぐに困ることはありません。ベトナムでは女性活躍は当たり前で、専業主婦の多い日本とは違い、お母さんがほとんど仕事に出る姿が普通です。

しかし、家族で子供の面倒を見るのも負担しあって、仕事を続けています。核家族化した日本では、無理ですが、その大家族主義が功を奏しています。学生などは、学校が閉まっている間は、ふるさとに帰って家族で暮らしています。

どうでしょう、日本のテレビ番組を見ていると、決まったらみんなが本気で徹底実施する、という簡単なことができない日本は学ぶことは多いのではないでしょうか。

  • 隔離措置の拒否に対する刑事処分を含む厳格な処分

首相は,公安省,保健省,情報通信省および省・中央直轄市の人民委員会に対し,事実ではない情報流布,医療申告の不実施・虚偽申告,隔離措置の拒否・逃亡・不履行,売り惜しみ,商品価格のつり上げ,市場へ悪影響を及ぼすような行為に対して,刑法を含む法令に基づき厳しく処罰することを命じる。

情報省通信省と保健省は,流行状況についてタイムリーで透明性のある完全な情報公開を継続的に行い,集会を行わない規定を集中的に報道し,自主的な医療申告や,疑似症例を早期発見,当局に通報するよう案内,奨励すること。

各省庁,各レベルは,感染症対策措置に適応する作業方法を積極的に革新,改善すること。指導,運営,業務実施,学習,行政手続の実施におけるIT導入,オンライン活動を強化し,市民に対し,オンライン公共サービスの利用を増やし,オンライン環境で行政手続を行うよう案内,奨励すること。

指示は以下のように極めて詳細で厳しい内容です

1.2020年4月1日0時から15日間、全国規模の社会隔離を実施する。原則として、世帯と世帯、村と村、郡と郡、県と県、省と省の間の隔離を実施し、工場や生産会社では規定に従って安全間隔を確保し、マスク着用、消毒を実施すること。全ての国民は自宅に待機し、食料、食品、薬品の調達や救急の目的、業務休止・閉店の対象ではない必需品、必需サービスを生産・提供する企業・工場で働く目的及びその他の緊急の場合等、真に必要な場合に限って,外出するよう求める。接触する際2メートル以上の間隔を保ち、会社、学校、病院の外部や公共の場所において3人以上で集まらない規則を厳格に履行する。

首相は,全国民に対し、感染症防止の要件、対策を自主的に実施し、自主的医療申告を積極的に実施するとともに、自分と家族を守るための対策を十分に実施し、当局及びコミュニティが行う感染防止対策に責任を持って参加するよう要請する。企業、生産事業所、商品・サービス提供事業所の長は,それぞれにおいて,感染症対策の実施、従業員の健康・安全の確保に責任を持つ。

2.保健省、公安省、ハノイ市人民委員会、ホーチミン市人民委員会は毅然とした姿勢で可及的速やかに、各種リソースを総動員して、あらゆる対策でハノイ市のバクマイ病院及びホーチミン市のBUDDHAバーにおける集団感染を徹底処理し、一刻も早く感染者と接触歴がある人、感染のリスクがある人、集団感染源へのアクセス歴がある人を追跡し、適切な措置をとり、集団感染源へのアクセス歴がある人に対し医療申告、テスト検査を受けるために当局に連絡するよう引き続き呼びかける。公安省に対し、保健当局と連携し、チュオンシン会社の各種活動と関連し、感染のリスクがある人を全員リストアップし、感染源を迅速かつ徹底的に処理するために医療観察、監視、隔離を行うよう要請する。

上記任務の実施にあたり、関係各省・市の人民委員会は各省及び同2市と緊密な連携をとる。2020年3月12日からバクマイ病院にアクセスしたことがある人に対し、自宅隔離、医療申告をさせ、必要な場合に分類、検査、集団隔離を行う。草の根レベルの政府機関が各世帯における密接な監視を行う。

公安省と省レベルの人民委員会は,2020年3月8日以降に入国し、隔離の対象となっていない人のスクリーニング、医療検査、健康状況の確認を引き続き至急に実施し、直接接触者・濃厚接触者をリストアップ・分類し、適切な隔離措置(集団隔離、自宅隔離、宿泊施設隔離等)を取る。

3.政府機関、部隊は,幹部、公務員、準公務員に対し、ITを活用して在宅勤務させるよう調整する。戦闘即応任務に当たる部隊、機関の当直当番、必需品・必需サービスを提供する部門、緊密書簡の取り扱いやその他の要請に応じる不可欠な任務を遂行する者に限り,勤務先で勤務する。勤務先での感染症防止規定を厳格に履行しなかったために幹部、従業員の感染を発生させた場合,その機関の長は責任を取る。

4.交通運輸省、各省市の人民委員会は,原則として公共交通手段による旅客運搬を停止するよう指示する。但し、公務に係る理由による特別な場合や、食料、食品、必需品、企業の従業員・専門家の送迎バス、生産原料運搬車を除き、一つの場所、地域から違う場所、地域への移動を最大限に制限し、感染地域からその他地域への移動を停止する。

5.保健省に対して,以下のことを命じた。

a)病院での院内感染を避けるために、厳格な手順と管理を実施する;患者、その家族、介護者を厳格に管理し、医療申告を義務付ける;一人の患者に1人の介護者のみを認める;医療施設での患者のお見舞いを停止する。患者の受け入れには厳格なルールを規定し、感染した個人が病院全体の運営に影響を与えないように、病院に対して指示する。

b)医療機器、特に人工呼吸器、モニター、輸液ポンプ、透析装置を国内で製造している企業を支援するための制度、政策を具体的に提案し、チン・ディン・ズン副首相に報告する。

c)2020年3月31日の午後に、流行の緊急事態に対する計画、シナリオ、および緊急対応の可能性を首相に報告する。

d)対策指導委員会と保健省の要請により、バックマイ病院(ハノイ)での診療の継続を組織し、整理し、職員、医療従事者、国民の安全を確保する。

e)ハノイ市人民委員会の提案事項を検討・処理し、ハノイでの流行防止対策を支援し実施するための良い環境を整備する。

6.保健省は、各地域での陽性症例の検査結果を取りまとめて、定期的に1日2回公表し、正確性を確保する。

7.2020年4月1日0時(深夜)から,ラオスとカンボジア国境を往来するメインゲート及びサブゲートを一時停止する。陸上国境上の国際ゲートにおける入国を厳しく監査し,ラオス,カンボジアから入国するすべての者は14日間隔離されなければならない。

8.国防省は,各集中隔離施設の運営,調整,拡大を指導し,新たに隔離する者と隔離中の者を明確に分類することで交差感染を防止し,国境沿いの小道の管理を強化する。

9. 公安省は,特に農村地域において,安全秩序の維持,犯罪防止を強化する。

10. 財政省は,税関総局に対して,布マスク輸出の障壁の解決を指導し,各保険会社に対して,COVID-19に関連した保険プランを紹介,実施しないよう要求する。

11. 各省庁,地方,報道機関は,人民の健康を確保するという方針を支持する報道,発信を促進し,混乱や誤解を招く報道を行ったいくつかの機関は訂正する。感染防止の責任を有する者は,人民の中で混乱を招く発言をしない。

12. 商工省,各地方人民委員会は,人民のために必要な商品,食料,食糧を確保する。