国際協力への第一歩 ~青年海外協力隊員からのアフリカレポート20~



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パソコン、電子辞書、ノートを使って協力機関への企画書を作成しています。モザンビークでも日本の企業で働いていたようにパソコンに向かう日も多いです。
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送別会で料理しているところを撮られていました。顔が真剣ですが、みんな手伝ってくれて楽しく作れました。
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今回の送別会のメインのパエリア。帰国される先輩隊員のリクエストです。えびが予想以上に多くて、パエリアの米が見えない!美味しく食べていただけたかな~?

ボンディーア!(おはようございます!)
青年海外協力隊員の関朱美です。モザンビークに来て間もなく9カ月が経とうとしています。今日は最近の活動や出来事についてお伝えしていきます。

日本でいう東京大学、エドワルドモンドラーネ大学での特別授業
私の職場にエドワルドモンドラーネ大学と言うモザンビークでいう東京大学出身のスタッフがたくさんいます。その中でもまだ最近、大学を出たばかりの青年がいるのですが、彼はコンポスト(生ごみを発酵させてつくる堆肥)を研究していたので、私たちが日本で勉強してきた「高倉式コンポスト」というものに大変興味を持っていました。モザンビークで出るゴミの半分は生ごみであり、生ごみを減らすためにコンポストを普及することを考え同期隊員と一緒にコンポストを職場で作りました。そしてその職場にいる青年が教授を紹介してくれてエドワルドモンドラーネ大学で同期隊員とコンポストの授業をすることになりました。2時間程度の授業の中で実際にコンポストを作りながら、なぜコンポストを行うのか、私たちがなぜモザンビークへ来たかなどの話をさせていただきました。学生たちの反応はまぁまぁかなってくらいです。と言うのも職場にいる青年があまりにもコンポストが好き過ぎてその反応に慣れてしまっていたのですが、実際、そこまでコンポストに興味を持つ人なんて少ないのですよね。(笑)この機会に、大学との協力関係を結んでいくこと、また授業をしただけなので、今後はどのように地域に普及していくかを考えていきたいです。

同僚との環境教育への想いの違い、自分の活動のためのフィールド探し
配属されてからすぐに、私はずーっと教育現場で環境教育を行いたいということを伝えています。というのもやはり教育が人、世界を変えます。そこで環境教育実施に向けての企画書なども早くから出して交渉をしているのですが、環境教育を行うということに、なかなか同僚たちは動こうとしません。やれない理由はたくさんありますが、要因を簡単に言うと部署の人手・能力・お金不足です。協力隊のよくある状況ですね。それらに置いて解決案や代替え案を出してもどうやら「やれない」というより「やりたくない」という気持ちが大きいらしく実際にお金はないのは事実ですが、彼らはお金がないことを理由に断るのです。
同僚は人前で話すのが好きではないというのもあるようですが、そもそも授業をやったこともなければ、自分が過去に環境教育を受けてきたわけではないのでどのように教えていくかというのが想像できないのが大きいと思います。次に問題となるのが教育現場です。モザンビークの学校は子供の人数も多く、その割には学校や教室の数が限られていて、また先生方も最低限の教科を終えることがやっとな感じです。このような状況のため、学校で環境教育を教える授業時間をつくることは難しいのです。人数が多いため、午前中と午後で学年によって授業時間が分かれているくらいで、空き時間も少なく、空いている教室もなかなかないため物理的な面で厳しいです。
そこで私は、まずは市役所としてではなく協力隊として環境教育を行うために他の協力機関と連携していこうと考えています。市役所として動き出すのを待っていたら、2年間、何もせずに終わる可能性があります。それでは私がここに来た意味がないのです。そこで最近は、外部の機関と個別で打合せをさせていただいたりして環境教育を実施させていただくための営業活動のようなことをしています。ポルトガル語も100%できるわけでもなく日本人の大した経験もないような若い女性が1人で乗り込んでいって、どう思われているのか、どれだけ自分が環境教育をできるかは不安で仕方がないときもあります。しかし、逆に外国人×若い×女性を武器にして、めいっぱい楽しんでやってやるー!と思っています!

先輩隊員の送別会、時の流れの速さ
青年海外協力隊は年に4回に分けて各国に派遣されています。そのため、モザンビークでも基本的には3カ月スパンで先輩隊員が2年の任期を終えて帰国し、またそのころの時期に新しい新隊員たちがモザンビークに来ます。任期を終えて帰国する前には先輩隊員の送別会を協力隊員の連絡所(ドミトリー)で後輩隊員みんなでごちそうを作って、メッセージビデオを流したりするのですが、私はモザンビークに赴任してから初めの送別会から先輩隊員に抜擢していただき、毎回、料理長ということで料理を任せてもらっています。前回、3月にたくさん料理を作ってからそんなに時間が経ってないと思いつつ、また次の送別会のメニュー考えなきゃなぁと思っていたら今回の送別会もあっという間に過ぎ、6月末にまた大好きな先輩隊員の方々が任期を終えて帰国してしまいました。私は大好きな先輩隊員方との最後の大切な時間、料理をたくさん作れる楽しみということで、この送別会を協力隊生活の中で一つの大きなイベントとして捉えています。しかし、この送別会は終わったと思ったらすぐにまた次の送別会がきてしまいます。モザンビークで活動していると、その時、その時は時間の流れをあまり感じなくても、送別会と送別会の間をあらためて振り返ると予想以上に速く感じます。次の9月末に帰国する先輩隊員は同じ地域で活動している方々で、さらに一緒にモザンビークにいる期間も長いため、もっと寂しく感じそうです。そしてまたこの3カ月経った時には自分の活動も今より動けているようにしたいです!

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関朱美