アクティブラーニングに活用しやすい、STEM教育としてScratchを使って生徒がやる気になるプログラム学習を使ってみよう

スクラッチ「Scratch」とはマサチューセッツ工科大学で開発されたビジュアルプログラミング言語です。

STEMとはScience「科学」・Technology「技術」・Engineering「工学」・Mathematics「数学」の頭文字をとったものです。これからの社会において論理的な思考力を養い、実験・観察をもとに法則性を見出し、実用的なものの仕組みを創りだす「科学的な活用力」は生きるためにも必要になってくるからです。最近はこれにA 、art「芸術」を加えSTEAMと表現する場合もあります。

その中でも、論理的な思考力を養う教育として「プログラミング」が注目を浴びています。

プログラミングの体験で使いやすいのが、プログラミング言語Scratchです。MITメディアラボで開発されました。利用に関してはオンラインで使う方法と自分のコンピューターにダウンロードして使う方法があります。

8歳から16歳向けとして作られていますが、大学生も十分活用できます。

設計は8歳から16歳向けに作られていますが、複雑なものは大学生レベルになります。また、様々な科目の学習に利用されています。言語は日本語はもちろん、40を超える言語を選べて、世界中で使われている実績があります。アメリカで始まったSTEM教育は、今後日本でも大きく取り組まれていきます。

NHKでもEテレで「why プログラミング」という番組があります。またWebサイトもありますワイワイプログラミングですhttps://www.nhk.or.jp/school/programming/start/index.html

参考にするとよいでしょう。

スクラッチのオフライン版インストール

はじめるには、PCを準備してネットで https://scratch.mit.edu/

マサチューセッツ大学のサイトにつなげるだけです。オンラインが使えない場合は、「Scratchオフラインエディター」をダウンロードしてインストールしておけば同じように使えます。

2019年1月にバージョン3.0がリリースされたばかりです。とても使いやすくなっています。

オンラインコミュニティに参加できる

IDを登録すれば、世界中の仲間が作ったプログラムをダウンロードして自分のPCで動かすことができます。動かすだけでなく、自分でそれを改良する(リミックスと言います)こともできます。世界的なオンラインコミュニティに参加できます。世界の人々と友達になれます。

そのうえで、自分で創ったプログラムをプロフイールとともに発表できます。世界中の人が見て使ってくれるわけです。生徒は自分が世界中に発表できるクリエーターになれることに「大きなやる気」を持つことでしょう。最近子供たちのなりたい職業に必ず、出てくるのがゲームクリエーターやゲームプログラマーです。

検索により自分が作りたいプログラムのアイディアを得ることができます

プログラム制作になれるためには、人の書いたプログラムを多く理解することです。理解することで、新たなアイディアが生まれ、自分なりの創作プログラムをつくることができます。今回のフラッシュ暗算にしても検索をかけるとたくさんのプログラムが検索されます。これを見るだけでも、考え方は人により多様に存在することを理解できます。

プログラミングを教える意味は、アイディアを形にする力を育てることです。アイディアを形にするためには、創造力や物事を順序良く論理的な思考力を身に着けることにつながります。1回ではうまくいかないことが多いので、何度も繰り返すうちに、問題の本質を理解し問題解決能力が養われます。理系的な能力だけでなく国語力も伸びるそうです。それは、良いプログラムを書く力と良い文章を書く力には相関関係があるのだそうです。

Scratchの最も良いところは無料だということです

Scratchは無料で使用できますので、学校で使用する場合や、先生としてScratch講座を開く場合でも費用がかかることはありません(このようなScratch講座で、生徒からお金を徴収していても問題ありません)。ライセンスの購入は不要です。完全に無料です。他の人が作った作品もリミックス(改造)することができます。

「作る」をクリックして編集画面を開きます

スクラッチのサイトに行くと図のようなページになります。このページから始めることになります。「作る」をクリックすればプロジェクト編集画面が開きます。

スクラッチのコミュニティに参加する
「スクラッチに参加しよう」をクリックしてユーザー登録をすると、コミュニティに参加できます。参加しなくてもプロジェクト編集はできます。
参加すると、他の人が作ったプロジェクトを、自分のPCにダウンロードできて、リミックス(改造)できます。プロジェクトは検索すると無数にあります。画像にもありますが、この原稿をつくった時でも4千万以上あります。それだけ、世界中で使われているメジャーなプログラムなのです。言語は英語のままで使えば、英語の勉強にもなります。プログラムはほとんど英語ベースで作られているからです。

アクティブラーニングとしてスクラッチを活用しましょう

生徒は、すぐに興味を持ち、自分から進んで学習していくことでしょう。アクティブラーニングの教材として選択肢が広く、どんな教科でも使え、奥が深いので、お勧めです。図はダンスの振り付けをプログラムしたものですが、どんな教科でも使えるところがプログラミングのすごいところです。(斉藤宏)