ITを駆使した教育とアクティブ・ラーニング「海外の事例からの学び」



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東芝OAコンサルタント 学校ICTサポートセンターが主催する指導力向上のための学校ICTセミナーに参加する機会を得ましたので報告いたします。

講師は、本郷人間塾 塾長奥村幸治先生による「シンガポールの教育事情」についてでした。

シンガポールでは子供たちをどのような人間に育てるのか、具体的なコンピテンシーに基づいてその方向性を明らかにしているのだそうです。

スライドにもあるように、 Enhancing the Development of 21st Century Conpetencies
21世紀のコンピテンシーを強化するために

三つのスキル
Civic Literacy
Global Awareness and Cross-Cultural Skills
Critical and Inoventive Thinking Information and Communication Skills
5つのコアバリュー

Self Awareness 自己認識、自己形成
Self Management 自己管理
Social Awareness 社会意識
Relationship Management 関係性管理
Responsible Desicion Making 責任ある意志決定

これらを育成していくことで、
Confident Person自信に満ちた人、
Self directed Learner自主学習していける人,
Active Contributor積極的に貢献できる人,
Concerned Citizen社会問題などに関心のある市民
が育成されていくということのようです。 日本のように資源がない国だからこそ、人的資源こそが唯一の資源と考え。人財を育成するには、教育の質を高めなくてはならない。教育戦略を推進するために、教師の質向上、教育インフラ整備に力をいれていて、年間教育予算は6173億円で国防費の次だそうです。 当然、教師の質は高く、
・大学教育に入学する前の段階で、上位30%に該当する学生が教師の道を選択
・大学卒業後、教育現場に行く前にNtional Institute of Education にてトレーニング
・年間100時間に及ぶトレーニングを無償で受講可能(その間は代替教師が授業を代わる)
・IT教育には力を入れていて、PCルームにはテクニシャンが常駐していて高度な利用に対応しています。

”Teach Less,Learn More”(Fairfild Methodist Primary School,Jan17,2012)の言葉で表されるように、教師は、生徒の特質を高め、創造力を発揮できるように育て、生徒、自分から自主的に学習させることを進めているのです。 読む、書く、話す、リテラシーを鍛える教育を重視し母国語の他に英語が教育言語として用いられています。
奥村先生が言うには、 シンガポールの授業を参観していると私語はないそうです。勉強することが多くて勉強せざるを得ない状況だといいます。もちろん学生は何故学習しなければならないかがわかっていて、自ら学習を行う習慣ができているのです。 この流れから、教育方法ではアクティブラーニング形式での授業が多く生徒が自ら考えて生活に応用する能力を高めているということでした。
確かに、国際学習度到達度調査(PISA)という15歳の子供を対象とした学力テストでは2012年は科学的リテラシーは世界第3位となっています。ちなみに日本は最近上昇してきて4位でした。教育が複線型のため、大学に行けるのは約25%で、競争がとても激しいのです。エリートコースから外れた場合は技能専門学校などで技術を学ぶ等、職業コースとなります。日本のように、進路を決めずにずるずる、遊んでいたら将来への不安がでるので子供のころから学習に対しての気持ちがしっかりしているのかなと考えます。
結論としては、学習は記憶を鍛えるのではなく、その子供が、自分から持続的に学習を続けるコンピテンシーを育てることが必須ということなのでしょう。これは私たちグローバル人財リサーチが研究しているコンピテンシー可視化の方向性そのものだと思いました。
主催した東芝OAコンサルタントでは「学校ICT活用力診断」「ファシリテータータイプ診断」や「タブレットPCを使った模擬授業を体験」もモニターとして無料で行ってくれます。アクティブラーニングの活用に関しては、参加型授業、体験型授業の理解や経験が大事です。WEB診断を試すのも良いでしょう。(報告 斉藤宏)