国際協力への第一歩 ~青年海外協力隊員からのアフリカレポート31~



私が使っているバス乗り場です。大きなバスも乗り入れしていて、朝はたくさんの人が並んでいます。
配属先に受け渡されたJICAのプロジェクトカーです。今後はこの車に乗って通勤ができそうです。
また水のタンクのモーターが盗まれました。鍵が開けられ、そっくりモーターが盗まれていました・・・。

ボンディーア!(おはようございます!)青年海外協力隊員の関朱美です。最近のモザンビークはとても暑いです!昨年よりも夜も暑く寝苦しく感じます。今回は毎日の戦いである通勤についてと、再び起きてしまった盗難事件についてお伝えします。

悲惨な通勤事情
以前にも通勤について少し書かせていただいていると思いますが、私は公共機関のシャパ(バス)を使って通勤をしています。このシャパに乗るためには家から歩いて20分程の乗り場に行き、並んで乗る順番を待ちます。

以前から並んでいるにもかかわらず割り込む人もいましたが、最近はエスカレートをしてシャパが来たとたん、列を無視してシャパに群がる人が増えてきました。その為、最近はシャパに乗るのに1~2時間待たなければ乗れない状況になっています。もちろん自分たちが乗る時も押し合い、殴り合いに近い状態の中で乗らなければならず、毎日が戦い、危険と隣り合わせです。

列を抜かして押し合う男性たちは女、子供関係なく力任せで我先に乗ろうとします。そのため子供たちは怖がり大泣きで、お母さんらしき人に守られながら、無理矢理押されて乗せらている状態です。みんながみんなではないのですが、モラルが低い人も多く、この状況に毎日、苛立ちと悲しさに打ちのめされています。

日本人の礼儀、モラルを貫くこと。
こんな状態の中でもきちんと列に並んで、待ってシャパに乗っている人もいるので、私はできる限りきちんと並んでいる人が乗れるようにと手助けするようにしています。というのも、きちんと並んでいる女性は無理をしないため、押し合いに勝てず、なかなか乗れていないのです。

そこで自分の順番が前の方になった時には「誰が1番?」と聞いてその1番の人の前に立ち、シャパが来たら人差し指を突き上げ、運転手に目で合図し、私の真ん前にドアをつけてもらうように誘導します。そして割り込みしないようにバスに手を置いて、並んでいた彼女たちを誘導します。

日本人だからこそ割り込みをしないという信頼とシャパに乗っている日本人なんてなかなかいないという状況を逆に利用し、モラルを広めようとしています。一時、あまりにも割り込みしてくる人が多くモザンビークの感覚に慣れてきてしまったため、日本的な感覚が麻痺してここは割り込みが当たり前で、こういう文化なのか、日本人の感覚で並ぶことが公平なのだと言い切ってはいけないのか等、私が広めようとしているモラルはただの押し売りではないかと悩むときもありました。

それでも列を作りしっかり並んでいる人がいて、列を作るのが公平だと分かっていてもその時の状況により列を守らない人もいることが分かり、今は、列を守るというモラルを広げることが、公平な社会を育てることにつながると考え、自分が日本で受けてきた道徳感を踏まえ、自信をもって行動するようにしています。

少しでも状況が良くなるよう、割り込みしてくる人には、「あなたはモラルがないの?!なんで列を守らないの?!」と並んでいるモザンビーク人と一緒に怒ったりもしました。アフリカで生活してみて、改めて人口密度が高い東京では電車を乗る時に抜かす人なんてほとんどいなくて、日本のモラルの良さ、礼儀の良さを実感する日々です。

私たちへの救い、JICAのプロジェクトカー
そんな辛い、大変な通勤生活を送っていたのですが最近、改善がされました。今年度、私たちの配属先のJICAの技術プロジェクトが終了をするということで、プロジェクトチームが使っていた車が配属先に寄付されました。その車を私たちの家の近くに住むスタッフが通勤に使えるようにして、ついでに私たちも乗せてくれることになったのです。

治安の問題を考えて局長やプロジェクト関係の方々が私たちの通勤を良くしてくれるよう配慮してくれたのかと思います。シャパに乗る戦いに参加せずに行けること、通勤に時間がかからないことが本当に嬉しく、はるかに通勤が楽になりました。今までは通勤がストレスで職場に行くのが億劫に感じる時も多かったのですが、気持ちが楽になりそうです。

事件は再び。
以前のレポートにも書かせていただいたので、年末に水のタンクとモーターが盗まれ、すぐに新しく今度は鉄格子付きで設置をしたことはご存じかと思います。そしてそれから2か月弱、なんとまた水のタンクのモーターが盗まれました。週末2日間、家を空けていて、夕方、家に帰ってきたときにモーターのスイッチを入れようとして見てみると、モーターが無い・・・。鉄格子には鍵がついているのですが、この鍵が外されていて、鉄格子が開けられ、パイプが切られてモーターだけそっくり無くなっていました。

夜は警備員を雇っているので、まさかまた盗まれるとは思わず、流石に2回目は笑えなかったです。私の家の裏が死角になりやすく隠れやすいということもあり、昼間に盗られた可能性もありますが、どちらにしても治安が良くなく、狙われていることを感じました。おかげでその夜は気持ちが落ち着かず寝むれませんでした。年明けになってモザンビークでは日本人が強盗なども合う被害もあったり、短期間で2回も盗まれたため治安に関してもJICAとしても不安があるということで、家を引っ越すことも検討されています。今後、引っ越すかどうかは分かりませんが、安全と健康第一ということは忘れずに残りの任期、無事に任務遂行をしていきます。

Até Logo! (またね!)

関朱美