ツールとしてのグローバルプラスの評価研究



本Webにおいて青年海外協力隊員他のコンピテンシー座標を紹介してきましたが、グローバルプラスそのものの評価をしてみました。

グローバルプラスは人財の適性座標をポイントで可視化できるツールで、グローバル人財だけに適用されるツールではありません。あらゆる人財の適性がポイントで固定化されるため、個人には、自分の座標位置を知り、自己認識することで、自分自身の弱点や強みを理解し、進むべき方向が見えてくる大きな利点があります。会社や組織ぐるみでこのツールを導入することでその組織の構造を完全に可視可できることになります。これは部署ごとに配置を確認することで、グループ全体のパフォーマンスを最大限まで上げることができます。今までのツールは一人一人の適性波形を分析するコンサルタントや人財が必要でしたが、座標位置が一つのポイントとして固定されるため、人事部などのメンバーだけで課題を発見し、改善することができるのです。もちろん、高校や大学などで活用することでは、若い人は特に変容しやすいので、この位置を知ることで、どのようなセミナー、研修を組み合わせれば、クラスが活性化するかなど明らかにすることができます。もともとのクラス分けに使えば、クラスのパフォーマンスを最初から平均化できて、そこからのグループとしての大きな変容を望め、学校全体のパフォーマンスのレベルアップを促します。

そこで、このツールの普遍性を証明するために、日本人、アジア人、欧米人、アフリカ人を含む335名の人財のデータを可視化してみました。図1この赤のバルーンが335名分のデータを重ねたものです。縦軸がイノベーションや改革の軸で、横軸が前に進む前進力の軸となっています。そして、原点が平均となります。また、バルーンの大きさが多様性を表しています。

グローバルプラスは、いままで表せなかった数々の適性イノベーションの軸と前進力の軸に演算式でまとめベクトルとして座標位置を確定します。さらにその人財の持つ多様性をバルーンの大きさとしたのです。これにより多くの適性を固定し可視化できるのです。

この335名という母数は統計的にも十分な数です。この結果が表したのは。座標の左下から、右上にプロットされた人財の範囲でした。つまり、世界の人財がほぼこのエリアに入り可視化されたわけで、どんな人財もこのエリアの中に存在し、その適性位置の強さ弱さが明らかになったのです。全くバラバラに存在するのではなく中心が直線状に分布を示していて、この手法が意味のない手法ではないことを証明しています。

そこでさらに詳しく見るために、多様性を除いた散布図プロットが図2となります。青い点が335名分それぞれの座標位置を表します。多様性バルーンを除くと、どこに分布しているかが明らかになります。やはり原点の周辺に多くの人材が位置し原点からどちらの軸でも離れていくにつれてまばらになり、そのデータが原点付近で膨れるがほぼ直線上に並んでいるのは、ほぼ正規分布に近い統計になっていることを表しています。正規分布であることは、このデータが自然界の事象とかけ離れていないことを表しているわけです。

図3では前進力とイノベーション力のヒストグラムを作ってみました。これを見てもわかるようにイノベーション力はほぼ正規分布で、前進力は中心部分がややへこんだものの全体的にはほぼ正規分布と考えられます。

今回の分析はここまでですが、限界値がわかり分布が自然であれば、可視化された座標がその人財を可視化されたと言えるでしょう。ただ、この可視化アルゴリズムではストレスも計算値に入れていて、その時のストレスにより位置が動きます。それは、変容の可能性も表していることになり、1年に1回この適性検査を受けることで、ストレス変化や自己研鑽の効果を明らかにできます。
つまり、人財を大事に育てて行くときに、なくてはならない指標となるのです。(斉藤宏 続く)